- 都市の遊び場
- アレン・オブ・ハートウッド卿夫人 著 | 大村虔一・大村璋子 訳
レビュー
1968年に子供の自由な遊び場のあり方と実際の設計事例について英語で書かれたこの本が日本語に翻訳されたのが1973年、ちょうど40年前である。自分が生まれる前に海外で書かれた内容が、今、日本で読んでも全く違和感がない。
それどころか自分も二児の親となり、いかに子供の自由を奪い管理しようとしている(躾と称してほとんど無意識的に行われてすらいる)日常を自戒しつつ、そういったものから解放され、生き生きと遊ぶ場が親の方にこそ必要なのではないかと感じている。特に各章の扉にある一文が心に響く。
「体験されるまでは何事も真実にならない。」 キーツ
「あらゆることの目的は、きちんと完成することではなくて、豊富な経験をすることである。」 キャサリン・ホワイトホーン
「人の遊びの性質はその人の芸術の質と価値を予告している。自由は、遊びにも芸術にも、ぜひ必要なものである。」 シラー
「生きていれば、必ず、ある危険が伴う。生々と生きようとすればするほど、危険も多くなる。」 イプセン
せんだいセントラルパークでは、西公園プレーパークが都市の遊び場として市民が自ら運営する仕組みがあります。
レビュー:佐藤 芳治

- 項 数:147ページ
- 仕 様:23.4 x 19 x 1.8 cm
- 発行日:2009年9月[新装復刻版](初版:1973年)
- 出版社:鹿島出版会
- 定 価:3,200円(税別)