▼まちをつくる建物再配置の考え方

▽現在のまちづくりのルール
 八幡の狭い間口と長い奥行きを持つ短冊状の敷地割りは、藩政期に基礎づけられたものです。細長い敷地は、これまでの宅地化の流れを受けて、細分割され、通りに面した側と奥との雰囲気の異なる特徴的な八幡のまち空間を創り出しています。近年は、更に高密度化の要請を受けて、マンション等の中高層の建物も建ち並ぶようになりました。その多くは、南北方向に細長い形状を持つものですが、法制度上は、このような建物の前面に覆い被さるようにして同様の規模の建物が立ち上がることが可能です【写真>>】。つまり、現在のまちづくりのルールに従えば、必ずしも将来にわたって暮らしやすい環境が担保されているわけではないのです。さらに、近接する敷地に将来どのような建物が立ち上がるか分からないことによる不安は、新しい建物を建てる際にも、十分に将来を見通した思いきった判断を難しくしているのではないでしょうか。
▽新たなまちづくりのルール
 それゆえ、将来に渡ってもまちの生活環境の担保が可能となる、新しいまちづくりのルールが必要なのです。
 新しいまちづくりのルールに基づいて、「横につなげる」、つまり、個々の建物の建替えのペースにあわせて東西方向に建築物が少しずつ連続していくことで、新しいまちがかたち創られていきます。


<まちをつくる建物再配置の考え方>

 

<現在>
 
藩政期の通りに面する短冊状の敷地割りを前提に、敷地内道路で敷地を「縦に割り」、細分化した。
<将来>
 
協調化や共同化(※)によって、少しずつ、藩政期の敷地割りへと再統合し、更には「横につなげる」。
(※)協調化・共同化とは
個別に建物を建設 協調化
 建物の配置や形態について事前にルールをつくり、個別敷地ごとに建物を建てること。
共同化
 個別敷地ごとに各々建物を建てるのではなく、隣接するいくつかの敷地にまたがって1棟の建物を建てること。
▼将来の土地利用断面図
 まちづくりのルールは、将来のまちの青写真に基づいて決められるべきです。「探検6」の断面土地利用ダイアグラムに見たようなまちの賑わいや地区の特徴的な地形等から、目指すべき青写真を構想しました。

▼大崎八幡宮周辺市街地の将来イメージ鳥瞰図
 まちの建物の再配置によって、大崎八幡宮の鎮守の森の緑がまちの中にも有機的につながっていきます。
 必ずしも全ての建物が建替えにあわせてその容積を増し、中高層に積み上がっていく訳ではなく、様々な大きさの粒を持つ建物が「心地よい複合」=「グッド・ミックス」を演じます。
▼八幡町通の将来イメージ図
 まちの歴史を伝える建物や通り沿いのお店は、あるものは保存され、またあるものは再生されてまちの暮らしの文化を伝えます。暮らす人達の息づかいは、窓際にこぼれ、歩道に中庭に元気よく、そしてしっとりと広がっていきます。樹木の葉のざわめきが、どんとレールの静かなけれども重厚なモーターの響きが、あたらしいまちのハーモニーを奏でます。
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