まちを共に創る

新小谷木橋デザイン検討ワークショップ

岩手県奥州市水沢区に新しく架け替える橋のデザインについて、近隣地域の中学生と町内会が参加するワークショップの企画・運営を行いました。そこででたアイデアを景観デザインの担当者へ引き継ぎ、設計に反映されました。

新小谷木橋デザイン検討ワークショップ

新小谷木橋デザイン検討ワークショップ

小谷木橋は岩手県奥州市水沢区に位置し、太平洋と日本海をつなぐ国道397号線の北上川を越える橋として、昭和29年(1954年)に架橋したもので、幅員が狭く歩道も片側にしかないなどから、早期の架替えが求められていました。

岩手県は架替えにあたって「将来においても地域の人々に親しまれる質の高い景観の創出に努めることが必要」と考え、平成23年1月に、「新小谷木橋(仮称)景観検討委員会」を設置しました。震災による橋へのダメージも懸念される中、景観デザインの検討がなされ、「河川空間および遠方の山並みの風景と調和した橋」を目指すことになりました。詳細デザインにおいては「新小谷木橋(仮称)詳細デザイン検討」が開催されることとなりました。

新小谷木橋デザイン検討ワークショップ

橋に対する想いやアイデアを出し合う

都市デザインワークスは、として参加し、全5回、中学生や地域住民が年齢を問わず一緒に考える場の企画・運営を行いました。バルコニー(橋上の張り出し部分)と橋詰広場(橋のたもとの広場)の使い方や形等を検討するため、20名の参加者が3つのグループに分かれ、実際のサイズを確認したり手を動かして模型をつくったりして、橋に対する想いやアイデアを出し合いました。

皆さんが大事にしている、安全・安心、歴史、親しみ、風景、集まる、をキーワードに毎回のワークショップを振り返り、地域の想いやアイデアを積み重ね、景観コンサルタントを通じて新しい形が生み出されました。

橋に対する想いやアイデアを出し合う

参加者の反応

参加者からは「何気なく言ったことが好評だったのでうれしい」「自分の知らなかった北上川を知ることができて面白かった」「実際の橋のサイズを見る事で率直な意見を出す事ができた」と、達成感を味わうことができたとなりました。また「水場の広場も考えたい」と橋だけではない、地域のを考える視点にまで発展しました。

今回のワークショップは1年で終わりましたが、橋の完成までにはナント10年以上もかかるということで、参加者からも「時間がかかるので引き継ぎが必要」「その都度で意見を出すチャンスがあるといい」と、継続的な楽しみながら体験できる住民参加の場が持たれることでしょう。

参加者の反応

関連情報

期間:2012
場所:岩手県奥州市