- 白熱講義 これからの日本に都市計画は必要ですか
- 蓑原 敬, 藤村 龍至, 饗庭 伸, 姥浦 道生, 中島 直人, 野澤 千絵, 日埜 直彦, 村上 暁信
レビュー
「これからの日本に都市計画は必要ですか?」
自分自身も常に感じていたこの疑問に都市プランナー 蓑原 敬氏と7人の若手研究者の7つの問いとそのディスカッションを通じて、都市計画の捉え方や課題について対話形式で掘り下げられていきます。
問1 都市計画にマスタープランは必要ですか?
問2 都市はなぜ面で計画するのですか?
問3 コンパクトシティは暮らしやすい街になりますか?
問4 都市はどのように縮小していくのでしょうか?
問5 都市計画はなぜ人と自然の関係性から出発しないのですか?
問6 計画よりもシミュレーションに徹するべきではないですか?
問7 都市計画は「時間」にどう向き合っていくのでしょうか?
素朴であり核心をついた問いは、答えがあるようで深く、それを読み解く過程において多くのリアルなヒントがちりばめられています。
・世界からみて日本の都市計画に抜け落ちているもの
・都市計画は制度ではなく、社会や経済、政治的背景から生まれる文化的なもの
・制度の公共性を担保するためには?
などなど、
都市計画の変遷や知識が整理されるとともに、私たちが今後まちづくりや都市デザインを実現していく際にぶつかる壁を越えるためのトレーニングとなる本です。
幕張ベイタウンのプロジェクトで何度かお話しさせて頂いたことのある蓑原氏は問題の核心にズバッと切り込んでいく鋭い方という印象でしたが、改めて都市計画に対する世界的な視座と経験から、現代の混沌とした日本の都市計画をどのようにとらえているのかが伝わってきました。
レビュー:佐藤 芳治
- 項 数:256ページ
- 仕 様:四六判
- 発行日:2014年5月26日
- 出版社:学芸出版社
- 定 価:2,200円(税別)