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都市デザインワークスからのお知らせです。

【レポート 後編】西公園ガイドブック発刊記念トークイベント!!

仙台のソウルパークこと西公園が、開園150年を迎えたことを記念し、都市デザインワークスでは「西公園ガイドブック 仙台最初の公園で紡がれた150年とこれから」を発刊しました。
これを記念して、2026年3月28日(土)に青葉山公園緑彩館にて、トークイベントを開催しました。
ここでは第2部「開園200年に向けて これから西公園を望想しよう」レポートをどうぞ!

田川: 第2部は「開園200年に向けてこれから西公園を望想しよう」ということで、進めていきたいと思います。第1部でも執筆者の方からたくさん興味深いコメントをいただきましたが、ここからもかなり面白いので、皆さんぜひあと1時間よろしくお願いいたします。

本日は、2人のゲストに来ていただいて、西公園これからどんなことが始まっていったらさらに面白いかなということをトークしていきたいと思います。

まずお一人目のゲスト、初来仙、岐阜県は各務原市から長縄尚史さんに来ていただいております。一般社団法人かかみがはら暮らし委員会代表理事ということで、公園とその周り、いろんなところの日々の暮らしがちょっと豊かになるような様々な企画をやっているというところで、今日そういったお話をいただく予定でございます。長縄さん、よろしくお願いします。

長縄: よろしくお願いします。

田川: 続いて都市デザインワークス理事であり、NPO法人NPO Birth事務局長の佐藤留美さんです。仙台市では、杜の都の環境をつくる審議会の委員もされておりますし、何より仙台の材木屋の娘として、西公園を遊び場に育ったということです。東京の公園で市民が関わりながら公園がもっと楽しくなるような仕組みをつくったりと、さまざまな取り組みを手がけられています。西公園のこともよく分かっていらっしゃるので、これからの西公園をおもしろくする上での知見や視点をいただければと思ってお招きしております。よろしくお願いいたします。

佐藤:よろしくお願いします。

田川:西公園はさまざまな表情を持っています。先ほど内山編集長も、パッチワークのように多様性があって、さまざまな表情があるとおっしゃっていました。そこから新たにどんなことが始まったら面白いかなというのをお2人にも事前に問いかけをしています。それに対しての発表をまずは留美さんからいただきます。その後、留美さんと長縄さんお2人からお話をいただきたいと思っています。司会は引き続き田川が務めますが、ここから編集部の大井も参加します。

大井: 都市デザインワークスの大井と申します。デザイン周り、許可周りといろいろ携わらせていただきました。ほか、昨年実施した西公園150周年記念フェスを9月にやりましたイベントの担当もさせていただいていたので、本当に西公園にすごくどっぷり関わらせていただいた1年になりました。この後のトークもすごく楽しみにしております。よろしくお願いします。

田川: では、まず留美さんに少し話題提供いただきたいと思います。

留美:よろしくお願いします。改めまして私の方から。公園の力がまちの力になるというお話をしていきたいと思います。

まずは西公園ガイドブック発行おめでとうございます。ページ数が260ページって聞いて本当にびっくりしました。最初、西公園にちなんで245ページにしようとしていたけど、早々に超えたとか。そもそも私、西公園が開園150年も経っていると気づいたのは割と最近でして。ほとんどの市民の方はこのことを知らないと思います。

このガイドブックの最初の「はじめに」のところで、西公園はたくさんの人のソウルパークと書かれていますが、私にとってもソウルパークです。

私の実家は国分町3丁目で材木屋をやっていて、目の前は晩翠通でした。西公園はこどもでも徒歩10分ぐらいで行けたということで、ものすごく遊んだ公園です。

西公園にはおじいちゃんと一緒に散歩に行ったり、小学校1年生の遠足で行ったり。後ろに映っているのは図書館。3日に1回は図書館に行っていましたし、プラネタリウムも市民プールも本当によく通っていました。

私は今、公園や身近な緑地に関わっている中間支援組織を運営しております。公園はすごく変わり目にあります。公園は時代と共に変容してきた。元々は行政が整備して管理していたところから、今は官民連携によるパークマネジメントが大事と言われています。

そもそも公園はいつ頃からできているのか。明治6年ですが、西公園も同じく、景勝地などを公園にしていこうというところで都市公園が始まりました。国家が近代化して欧州に追いつけ追い越せみたいな感じでした。

1900年代に入ると関東大震災や戦災などで、公園の機能が防災ということで再認識されてきた。70年代から80年代は市民運動がどんどん始まるのですが、環境がなくなってきたり、こどもの遊び場がなくなってきたり。この頃に先ほど佐々木さんからもお話がありましたが、日本初のプレーパークもこの頃にできています。市民がどんどん公園づくりに参画してきた時代でもありました。

2000年代になると、公園も含めた公の事業に民間力を導入していこうということで指定管理者制度が始まりました。私たちNPO Birthも2006年から都立公園に入り、今東京の都立公園18公園の指定管理をしています。さらに今は収益施設を入れてPark-PFIといった制度もできてきました。一方で、市民の存在は置いてけぼりになっていないか?市民はどこでどういう風に公園づくりに参加したらいいのだろう?という課題感も見えてきました。そのような動きの中で、共創型、市民も参加した公園の管理の新しいやり方として、パークマネジメントという考え方が広まってきました。

公園の現在ですが、2020年代になり、社会課題が公園に一気に流れ込んできています。コロナの時に国土交通省が「都市公園はまちづくりをする場所だ」と明言しました。公園が生きる、人がつながる、まちが変わる。これからの都市は公園なしでは再生しない。もっと公園を使いこなしたり、公園をベースにまちの仕組みを作っていくべきだという考え方が出てきたところにあります。

公園はまちづくりの場です。グリーンインフラという言葉がありますが、公園は様々な社会課題を解決するインフラだと国土交通省は明言しました。気候変動や都市災害を防ぐ、生物多様性、コミュニティ活性化、健康な心身づくり、経済価値など、様々な分野の方々が入って出会いがあって、交流があって、社会コミュニティが作られていく。経済も回っていく。コミュニティを活性化していく、教育の場。海外では公園は社会教育の場として定義されています。公園は学びの場であり、そこから地域をさらに良くしていく力があります。健康づくりにも寄与するので、医療費だってずいぶん変わってきます。生き生きとみんなができる活力のある公園づくりをしていくことが大切です。

私たちは市民の企画をとても大切にしています。どこかのイベント会社が来て終わるのではなく、市民の人たちが手作りで作っていくプログラムをつくっていきます。浜松の事例では、ボロボロになってしまった古民家を地域の企業の事業者の方々が市民と一緒に再生させました。行政が作ってポンと渡すのではなく、市民が自分たちのまちをもっと良くしていくために空間を使いこなしていく時代に変わってきています。

公園とまちの力を引き出していくと、人も元気だし、まちも元気だし、ウェルビーイングなまちづくりができる。仙台には「せんだいセントラルパーク」という構想があります。ニューヨークやロンドンのように、まちの真ん中に素晴らしい公園がある。仙台にはセントラルパークという名前の公園はないけれど、このエリアをセントラルパークだと名付けちゃった。3年前、川崎の市長をご案内した時、ずっと歩いていけるこのまちに感動されて、とても驚いていらっしゃいました。社会実験として4weeksが行われたり、広瀬川のプロジェクトを宮崎さんが取り組まれたり。せんだいセントラルパーク構想がどんどん実現に向かっていると思います。

昨年、西公園開園150周年記念フェスが開催されたとのことですが、今日は主催の青葉区の谷田区長が来られているので、ちょっと区長から一言よろしいですか?

谷田区長: 突然ですが、青葉区長の谷田でございます。本の出版もおめでとうございます。私、都市デザインワークスとは10年来のお付き合いでございまして、10年前に研修をさせていただきました。
西公園は開園150周年ですが、仙台市の歴史は136年。西公園の歴史の方が長いのです。そこがすごいことだなと思いました。フェスについては、さまざまな考えの人の活動をひとくくりで見られるいいツールだなと思って、今後どうしようかと考えていたところです。引き続き皆さんの活動が活発になることをお祈りして、行政としてもがんばりたいと思います。

留美: ありがとうございます。公園や緑はまちの人やモノ、コトや情報、さまざまなリソースが巡っている場所だと思います。エリア価値を高め、ブランド力、シビックプライド、ウェルビーイング、経済活性化など、いい価値を上げてくれるのが公園、緑なんですね。これを使いこなしているのが、次にお話しをしてくださる長縄さんです。各務原市の「学びの森」で都市公園等コンクールの国土交通大臣賞を受賞されています。楽しくまちを楽しみながら緑や公園を生かしていくあり方をぜひこれからお話伺いたいと思います。

長縄: 岐阜からやってきました長縄です。よろしくお願いします。初めての仙台、食べ物も美味しく、緑が暮らしと共存している感じが素晴らしい。仙台がめちゃくちゃいいなと感じております。

ガイドブック、260ページ、正直だいぶ皆さんやばいなと思いました。これをまず作ろうと思われた都市デザインワークスの皆さん、そしてそれに対してあれだけの熱量を持って皆さんが書いた、これ自体がもう本当になかなかありえない。

それを踏まえつつ、今日は自分から公園そのものというより、公園から始まる2つのムーブメントという形でお話しさせていただきます。

岐阜県各務原市から来ました。「かかみがはら暮らし委員会(地域コミュニティ)」と「OUR FAVORITE CAPITAL(まちづくり会社)」の2つの名前で来ました。まちづくりとコミュニティを、公園と商店街を、行ったり来たりしながら、全体の話をしていきたいと思います。

各務原市にある「学びの森」は非常に素晴らしい公園で、設計は石川幹子先生です。セントラルパーク構想から誕生したので、遊具も自販機もない、過ごし方が問われる公園です。2013年からマーケット日和というイベントが始まり、2016年に「KAKAMIGAHARA STAND」というカフェを公園の中に作りました。ここを文化発信基地として、人が出会って新しく始まっていく場所として暮らし委員会を立ち上げました。

学びの森の南側にカフェがあり、その先に市民公園という公園があります。その間の駐車場だった場所で、各務原市で初めてのPark-PFI制度に挑戦した「KAKAMIGAHARA PARK BRIDGE」という屋内の遊び場を運営しています。岐阜は日本一暑い多治見市があるように、非常に暑いので、夏はこどもたちが屋外で遊べません。近年は熊の問題もあり、屋内の安全な遊び場が注目されています。まちづくり会社としては、2つの公園と、西側に広がる元商店街エリアに賑わいを取り戻そうとしています。公園のアクションが外にはみ出ていき、クラフトビール醸造所ができたりしています。これが1つ目のムーブメントです。

もう1つのムーブメントは「かかみがはら暮らし委員会」というコミュニティです。まちを楽しもうとする人たちのコミュニティです。「各務原市を楽しむ」と限定しないことが重要です。暮らし委員会は月額500円の有料コミュニティで、現在93人ぐらいいます。属性はバラバラで半分以上が市外になります。課題解決やミッションを掲げすぎると関われる人が少なくなってしまいます。ちょっとだけ応援したいという人をどう作っていくのかが大事です。

毎月第1水曜日にカフェで「寄り合い」を開催しています。何を話すか一切決まっておらず、みんなが自己紹介していく中からライブ型のトークの形になります。ここからお店をやりたいという人が現れ、空き店舗をリノベーションしたお店や「まちの交差点」のような拠点が生まれました。各務原市には近くに巨大なイオンがあり便利ですが、私たちは不便だけど顔が見えている、この人と一緒にやりたいという信頼関係を大事にしています。

マダムと呼ばれる60代の方や、50代の女性たちがユニットを組んで活動を始めたりもしています。今年は「なかなかいい日」という1日で25のトークイベントをやるフェスも準備しています。これはウォーカブルの社会実験ですが、私たちは「歩きたいんじゃない、誰かに会いたいから歩くんだ」と捉えています。顔が見えること、混ざることを意識しています。

最後になりますが、カフェで働く二人が結婚した時、サプライズでお祝いをしました。そこには暮らし委員、常連客、近くの飲食店の人など色んな方々が混ざっていました。やることがゴールではなく、やった向こう側に必ず何かがある。土地だけでなく意識や価値観の「かいわい」を繋げていくことが、これからの公園のあり方の一つではないかと感じています。

田川: お二人の話が繋がってビッと来ていたところでございました。4時を回ってしまいましたが、4時20分ぐらいまでセッションできればと思います。大井さんも感想を。

大井: 去年各務原へ伺った時、平日の日常の風景にハープを弾いている人がいて、「野生のハープ奏者が出現している!」と驚きました。公園のポテンシャルを暮らしの中で楽しめる日常に、西公園もしていけたらと思いました。

留美: 公園というオープンスペースは誰でも来れるので強みはとてもありますが、ハードの箱物も重要ですね。それをどう使いこなすか。公園は「やってはいけない」が先に来がちですが、令和の時代「こうすると楽しいですよ」という価値観と行動の提案が大事ですね。インスタグラムとかで誰かがやっているのを見て、私もやりたい、となっていく。

長縄: 目的地にならないといけない。選んでもらわないといけない。ここでやっていることがエリアのイメージになり、ブランディングやシティプロモーションになる。公園の1人あたりの面積で見ると、仙台も各務原も高いポテンシャルを持っています。行政、民間、色んな人が同じ旗を振りながら、それぞれのポジションで仕事をすることが大事ですね。

田川: 西公園でも以前「4weeks」という社会実験をやりましたが、日常的にできる仕掛けが必要ですね。若い人との接点を作るのも課題です。

長縄: 若い人に「公園いいよ」と熱量高く言っても響かない。美味しそう、面白そう、といったイメージをどれだけ相手にイメージできるか。告知よりも「報告」、あんなことやってて楽しそうだなと思わせるアピールが必要です。

大井: ガイドブックの最後に「望想のススメ」を書いていますが、自分たちが楽しそうに活動している姿をもっと見える化していく拠点があればいいなと思っています。

ということで、ここまでが第二部のレポートになります。お読みいただきありがとうございました!

公園を通じて人が “混ざる”ことから、少しずつ“界隈”が生まれ、まちに楽しいコト・モノが増えていく——
そんな各務原市の「学びの森」や「KAKAMIGAHARA PARK BRIDGE」、行ってみたいですね。
長縄さん、佐藤留美さん、本当にありがとうございました!

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