片平地区まちづくり
片平地区まちづくり
片平地区は、仙台中心部に位置し、青葉通り〜広瀬川〜東北大学片平キャンパスで囲まれた地区(片平丁小学校区)。約5,000世帯10,000人が住み、ビジネスマンや学生も多く通っている。また、地区内には瑞鳳殿、広瀬川対岸には仙台城址や博物館など仙台を代表する観光資源が集積し、これらには年間延べ約100万人の観光客が訪れている。

「片平地区平成風土記」作成をきっかけに
片平地区平成風土記」を作成した。この活動がきっかけとなり、片平地区連合町内会(9町内会)を母体とし、片平地区で活動する地域組織(学区民体育振興会、地区社会福祉協議会、民生委員児童委員協議会、片平丁小学校PTA、老人クラブ連合会など)や公共施設運営者(片平市民センター・児童館、片平丁小学校、五橋地域包括支援センターなど)が参加し、平成22年8月に「片平地区まちづくり会」を設立した。
これら組織の会員・職員から選出された委員(設立時66名)が運営にあたり、各委員は、(1)安心・安全確保、(2)コミュニティ活性化、(3)歴史・環境保全の3つの分科会のいずれかに分れ、テーマに応じて話し合いを重ね、平成25年3月に「片平地区まちづくり計画」を策定した。
また、計画づくりの過程で浮き彫りになった課題については、助成金を獲得しつつ様々なNPOと連携した実践活動に取り組むなど、住民主体のまちづくりの好例となっている。

震災後すぐに「片平地区災害対策委員会」を組織
都市デザインワークスは、市が派遣するまちづくりコンサルタントとして、会の設立と運営方法をアドバイスするとともに、資料提供やワークショップの運営、計画の取りまとめを行った。また、途中、東日本大震災があったが、話合いの土壌が出来ていたことが功を奏し、「片平地区災害対策委員会」を組織し各地域の情報交換や対策活動内容を決め、指定避難所の運営並びに各地域の対策活動にあたる事が出来た。
「災害対策委員会」は約1ヶ月で解散したが、その後この貴重な体験をまとめるべく、都市デザインワークスが協力して、避難所運営や各町内会の活動の調査、課題の整理、災害時の今後の対応方針を報告書としてまとめ仙台市に報告した。この成果も、「片平地区まちづくり計画」に盛込まれている。

3つの「環境」が共存している事が最大の魅力
片平地区は、(1)広瀬川の恩恵による豊かな自然環境、(2)日々の暮らしに根付いている藩政期からの歴史環境、(3)仙台中心市街地の利便性を享受できる生活環境の3つの「環境」が共存している事が最大の魅力である。いずれも仙台を代表する魅力として、市民のみならず多くの観光客を惹きつけており、「杜の都・仙台を象徴するまちづくり」を基本理念とする。さらに、片平地区が将来目指すまちづくりの目標とて、次の4つを掲げている。
- 安全・安心の確保:支え合いによる安全・安心なまちづくり
- コミュニティの活性化:子どもを育み多世代交流が活発なまちづくり
- 歴史・環境の保全・活用:広瀬川と歴史を活用した観光・文化交流のまちづくり
- 持続可能な体制の構築:多様な主体との連携・協働によるまちづくり

せんだいセントラルパークとも連携
これらの目標の実現に向けて、片平地区まちづくり会が主体となって、関係団体との連携の基で優先的に取り組むべき実践プロジェクトを定め、随時取組みを開始している。
- 地域防災体制の強化プロジェクト
- 共助体制構築プロジェクト
- かたひら四季イベント開催プロジェクト
- 子どもの遊び場・居場所づくり連携プロジェクト
- 「片平まちなかテラス」整備プロジェクト
- 片平観光ストーリー創出プロジェクト
計画から実践の段階に入り、「片平地区まちづくり会」は体制を改編した。それに伴い、都市デザインワークスも入会し、プロジェクトの実施に携わっていく予定である。特に、都市デザインワークスが進める「せんだいセントラルパーク」とは、片平地区の「片平観光ストーリー創出プロジェクト」や「『片平まちなかテラス』整備プロジェクト」が密接に関わるものであり、連携していくことで新たな取組みを企画中である。
関連情報
期間:2010.8~継続中
場所:宮城県仙台市
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