幕張ベイタウン
幕張ベイタウンとは?
千葉県が「住宅で街を作る」というコンセプトで沿道型の都市デザインを実現させた日本で唯一の街です。’95年から入居が開始され、計画人口は26,000人。沿道型の暮しの賑わいのデザイン、快適な外部空間、ガイドラインの柔軟な運用など、都市デザインのクオリティを高める制度や手法に多くの都市計画家や建築家の力が注がれてきました。行政とディベロッパーの官民共同によって実現された独自の試みは「幕張方式」とも呼ばれています。
H2-2街区, SH-2街区での都市デザイン業務
当法人は、三井不動産グループ・清水建設グループが事業を行うH2-2街区,SH-2街区の計画設計調整者の大村虔一顧問と曽根幸一氏と共に、二つの街区の一連の都市デザイン業務を行ってきました。石嶋設計室と共働)
街区マスタープラン
住宅事業者と共に、都市デザインガイドラインに沿ったH2-2街区,SH2街区のマスタープラン、配棟計画を策定しました。全体の戸数が定められている中で、より多くの住戸が快適な配置となるよう何通りもモデルスタディを重ねました。また、ベイタウンのコーナーに位置するため建物のスカイライン(高さの連続性・リズム)や海への開かれ方など重点的にスタディを行いました。
設計調整
H2-2街区では隣接する街区も同時に事業を進めていました。そこで隣の街区の設計者とお互いが接する境界部分のデザインについて壁面の位置や舗道・植栽などについて計画図を持ち寄って協議しました。また、住棟部分は3人の建築家によってデザインされています。外観や接続部について立面図や模型を持ち寄って互いにデザイン協調することで、全体としてのデザインを高めています。
都市デザインワークショップ
各街区の計画設計調整者が集まるワークショップの場で、新築街区の設計案について具体的な模型や図面をもとに議論(ガイドラインの解釈の確認・修正、マスタープラン、隣接街区との調整など)を行い、それをフィードバックしながらスタディを進めました
計画デザイン会議
都市計画の専門家にて構成される計画デザイン会議にて、街区の都市デザインの説明資料を制作しました。この会議の承認が無いと事業者は事業を行えません。この会議体があることで、都市デザインのクオリティが長年保たれ続けていいます。
中庭・外構・共用棟などの設計監修
都市デザイン会議の承認を得て、実際の設計段階における住棟の外回りや共用部についてのデザイン監修を行ってきました。当初のコンセプトを具体的に実現するために現場で細部にわたって最終的な調整をしました。
トータルデザイン
街区のあり方の検討から、事業者とのボリュームスタディを経て、建築家との設計の調整、ワークショップやデザイン会議の実施、工事現場でのデザイン監修まで、複数の街区でまちをデザインしつくることを一貫して携わることができました。長期にわたるまちづくりの都市デザインを担保する制度の運営も実感できました。
関連情報
期間:2003.11〜2013.3
場所:千葉県千葉市美浜区
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