みんなの居久根とは?
高木が生い茂るこれまでの「居久根」を個人で所有・管理を継続するのは大変…。集落の暮らしや住まいも変わって、居久根に求められる役割も変化しています。「自然の豊かさを暮らしに取り入れてきた先人の知恵」が「居久根」というカタチになったと捉え、次の世代に継承していくべきこれからの暮らし方や自然との関わり方などを、復興まちづくりを契機に居久根を通じて考えてみました。
①「えんがわ・にわ」の楽しみ方
- 緑にかこまれた庭では、縁側を大きく作ってソトとのつながりの場を設け楽しむ事もできます。
- 一休みの空間(あずまや、ベンチ)を作ったり、そこを利用して庭の畑から直穫りした野菜で食事会を開くことなどは、「ならでは」の豊かな食の楽しみを得られます。
- 納屋や倉庫等を改装してマリンスポーツや農のある暮らしなどを楽しむ人々との交流の場とする事も考えられます。
②「むかえ」の作り方。「かこい」の作法
- 敷地の入り口付近は、その家の“顔”であり、地域を印象づける大きなポイントになる場所です。
- 花の咲く木や株物を植えるなど、元々あった風景に加え、例えば震災後に南蒲生で取り組んだチェーンソーアートを我が家の顔としてみるのも、良いかもしれません。
③「居久根ひろば」をつくろう!
- みんなの居久根に賛同する方の土地の提供を受け、「居久根ひろば」をつくりましょう!
- 居久根に囲まれた広場は、小径やビオトープのある子供の遊び場、市民農園、町内のお祭り、居久根マルシェなど、みんなが集まれる場となります。
- みんなで木を植え、育て、誰でも参加でき、普段から居久根を体験できます。
④「みんなの居久根」に参加する仕組み
- 「みんなの居久根」っていぐね?
- 個人で所有し管理をしている居久根を、次世代につなげるために、新たな価値観や多様な参加の仕組みも必要です。
- そのけん引役は「居久根ひろば」です。
- 活動に興味をもつ方々(市民・企業)や専門家、行政を巻き込んで取り組むことが大切です。
- 合い言葉は「居久根っていぐね?」です!
- ※「いぐね?」は仙台弁で「いいよね?」
- とにかく、楽しもう!
- ・居久根マルシェ
- 生産者と消費者が直接売り買いする市が、昨今では“マルシェ”などの名前で全国的に開催されています。
- 居久根集落のとれたて野菜が「居久根ひろば」に集まる居久根マルシェ。野菜を売ったり、おすすめの献立を教えたり、居久根の下で新たな出会いが生まれるかもしれません。
- とれたて野菜をその場で味わえる農家レストランがあってもいいでしょう。
- ・市民農園
- 小さな区画の農地を借りて、市民も居久根集落で野菜をつくりませんか。
- 夏でも涼しい居久根の傍で、熟練農家の指導を受けながら、楽しく野菜をつくれます。
- 落ち葉を集めて肥料を作ることはもちろん、焼き芋や落ち葉プールなど、居久根の恩恵を受けることができます。
- 育てた野菜は居久根マルシェに出品できるかもしれません。
- 公的な制度を上手に活用しよう!
- 仙台市は生垣づくりへの助成、保存樹木・保存樹林制度による税制上の支援措置、津波被災地域への苗木提供の仲介(ふるさとの杜再生プロジェクト)などを行っています。これらを上手に活用しましょう。
- 多様な主体が参加する仕組みの例として、みやぎの里山林協働再生支援事業(宮城県)、わたりグリーンベルトプロジェクトなどがあります。所有する緑地を地域に開放する市民緑地制度もあります。様々な事例を参考に、居久根を次世代につなげる仕組みを考えることも大切です。