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都市デザインワークスからのお知らせです。

「水辺視察 in 京都」レポート〜vol.4 飛び石〜

古くある文化の川床に比べ、新しめの水辺環境が鴨川につくられていて、そこは地元の人も観光客も訪れているとのこと。

どんな場所か行ってみると、ホントに老若男女、国際色豊かな人たちがワラワラ。なかには川に足を突っ込み、手に網をもってズカズカ入っていく子ども達も。

都心を流れる鴨川の中流域は、驚くほど真っ直ぐな川。ちょうどこの辺りで、川幅がほとんど同じくらいの高野川と合流していて、上から見るとキレイなY字。

二つの川に挟まれた三角州の広場は「鴨川デルタ」と呼ばれていますが、実はよく知っている場所でした。私たちがせんだいセントラルパーク・ピクニックを始めた2013年に、時を同じくして鴨川デルタに巨大なショートケーキが登場するピクニックが毎月ひらかれ、ピクニック界隈?では有名でした。(毎回22日が開催日だったのですが、ナゼだか分かりますか)

タイトルでネタバレしていますが、今回は「飛び石を渡る」体験が命題でした。

近くまで来て初めて分かりますが、石一つ一つが大きい!

いざ渡り始めると、広いところで70センチくらいの間隔があって、うっかりすると落ちます。9月末の水位は膝下までいかない深さなので、命の危険を感じることはないですが、私だけ日帰り行程だったので着替え無しでしたから、とにかく濡れるのは勘弁…

すると向かい側からも渡ってくる人がゾロゾロ!!

でも大丈夫。大きめの石や退避スペースがあり、無事にやり過ごすことができました。

まぁ落ちたら落ちたでネタになりますけどね。

改めて飛び石の全体俯瞰してみたいと思います。

2つの川が合流する直前でデルタに接続していて、ルート選びが豊かです。途中で怖くなっちゃった人は引き返さずに、陸地で離脱できます。ここの上下流のどちらにも飛び石がありまして、中州に接続しているのは唯一ここだけ。

両岸とも、デルタも、5〜6段くらい上がったところに広場があり、ピクニックを想い想いに楽しめるスペースがあり、実際に団らんする姿があちらこちらで広がっていました。

橋からの程よい距離での見る見られる関係は、手を振っても恥ずかしくないくらい。渡ってる人は足元を見なくてはいけないので、そんな場面は見られませんでしたが、密でも祖でもないヒューマンスケールで計画された水辺空間であることは間違いないです。

こういった回遊性を生む仕掛けは、広瀬川にも欲しいなぁというのが正直な想いです。せんだいセントラルパーク構想のメインコンセプトのイメージにも飛び石が描かれており、昨春に開催した「水上フットパス・デイズ」はそこへ向けたトライアルでした。大変な好評を頂戴しましたので、水面で近い場所で川を渡るのを、是非とも実現できないかと勝手に考えを巡らせています。

一部をご紹介しますと、同じスケールで鴨川と広瀬川を比較しています。川は上流から下流に向かって下がっていくわけですが、その傾斜角度が川の流速に大きく影響します。

鴨川の中流域(鴨川デルタが該当)は1/350(350m下流で1m低くなる勾配)で、広瀬川の中流域(大橋が該当)は1/200〜1/300となっており、流速は広瀬川の方が早い可能性があります。一方で川の標高線の比較を見てみると、大橋の位置は下流域に近いため鴨川デルタと同等程度と見なすこともできます。

【同スケールでの比較】

 

 

【データでの比較】

・延長:[鴨川]33km [広瀬川]45.2km
※どちらも大きい河川へ合流するまでの距離

・流域面積:[鴨川]207.7㎢ [広瀬川]311㎢

・年平均降水量:[鴨川]1,515mm
[広瀬川]1,200〜1,700mm程度

・流下能力:[鴨川]約1,000㎥/s [広瀬川]2,800㎥/s
※鴨川は出町柳付近

・課題:[鴨川]下流域の流下能力向上
[広瀬川]広瀬橋〜牛越橋の流下能力向上

 

それぞれの河川整備計画をもとにした情報で、同じキーワードでも同じ条件ではないものも含まれている可能性があるため一概には言えませんのが、2つの川は割りと近しいと捉えられます。

広瀬川の飛び石、期待してもいいのではないでしょうか?!


移動中の機内誌で見た山口県長門湯本市、そこにも飛び石が…

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